犬のための墓地で働く彼女とは付き合って三年経ちます。最初から「この子と結婚したい」と思いデートを重ねてきました。大学時代からの友人で、初デートは近所の遊園地でした。
結婚したい、と思っていてもがっついては彼女に嫌われてしまうかも、と思い悩み三年経過しました。自分も彼女も二十代後半になり、周りの友人たちもどんどん結婚していきます。何となく雰囲気的に私たちもそろそろねぇ?という空気があったのですが、最初にがっつかなかったせいか、どのタイミングでプロポーズしたらいいのかどうか悩んでしまいました。
友人に相談しようとも思ったのですが、自分の将来を決めるのに友人に相談するのもおかしいよなぁと思い、彼女との歴史をずっと考えました。
大学で彼女に惚れて告白しOKをもらい、初めてのデート、緊張したなぁなどです。
せっかくなんだから初めてデートした場所で自分の気持ちを伝えて今もその気持ちが変わっていないことを告白しよう、と思ったのです。
きたる彼女の誕生日、夜は別のお店に予約をいれ、お昼は初デートの場所に行きました。遊園地で「懐かしいね」などと話しながら軽く遊具にのり、彼女が「面白いね」「変わってないね」などといってきますが、こちらはプロポーズのことしか頭になく、正直あまり彼女の会話が入ってきませんでした。
初デートをした遊園地のなかの喫茶店、ここも変わりません。窓側にすわり、初デートのとき頼んだものと同じのを頼みます。食事も終わり、いざ彼女にプロポーズです。
座ったまま「僕は三年間ずっと君と一緒にいて本当に嬉しかった。大学のとき好きになって、好きになった人と付き合えて、ここで初めてのデートができて、その場所がまだここにあって、向かいにはそのときと同じボクの好きな人がいることが今もとても嬉しいです。ずっと一緒にいてほしいので結婚してもらえませんか」と言いました。
すると彼女はキョトンとした顔をして、それからすぐ笑って「勿論OKだよ」と返答してくれました。
どうやら喫茶店内で声が響いていたらしく、店員さんやお客さんがニヤニヤしてこちらを見ていましたが、OKをもらった瞬間小声で皆が「おめでとう」「よかったね」と言ってくれて、とても幸せな気分になりました。